10ミニッツ・オールダー コレクターズ・スペシャル
 |
人気ランキング : 6,185位
定価 : ¥ 5,985
販売元 : 日活
発売日 : 2004-07-09 |
 |
お腹一杯。 |
たかが10分とはいえ、これだけ内容の詰まった作品を連続で観るととても疲れる。それぞれの監督の個性が発揮されているので、3〜5作品見る度に休憩を入れたほうが良いだろう。
個人的には、テンポよく観られるスパイク・リー、淋しくもあり優しくもあるチェン・カイコー、映像に迫力のあるゴダールの作品が気に入っている。特にゴダールの『時間の暗闇の中で』は良かった。彼の作品は内臓を破壊されるような衝撃力がある。・・・上手く説明できないが、とにかく凄い。これだけの名監督が揃い、たった10分という制約を受けているにもかかわらず、圧倒的な存在感を出せるのは流石としか言いようがない。彼の映像は「気持ち悪い」とか、「怖い」なんて言葉で形容できるものではない。とにかく凄いのだ。人間の根本的・本質的な部分に直接訴えかけるような映像は、破壊力抜群である。
名監督15人の作品が一気に観られるのだから、映画好きなら観るしかない。是非とも御賞味あれ。
 |
監督のお試しにも可? |
7人の監督が「10分間」という時間を与えられ、それぞれ作ったオムニバス映画。短い時間でそれぞれ監督の個性が楽しめるのが良かった、「映画監督お試し版」というのはちょっと乱暴か。
映画や音楽を見たり聴いたりして「うぉ!!」と思うとき「出会った」と感じることがある。有名どころが結構作っていたが、今回「ビクトル・エリセ」という聞いたことがなかった監督の作品「ライフライン」に対してそう感じずにはいられなかった。10分という時間の流が、一番短くも長くも感じた。
この監督、10年に一度のスパンで映画を作るという非常に贅沢な時間の使い方をしているからだろうか、時間の使い方をよくわかっている印象を受けた。
 |
10分という制限、800字という制限 |
カウリスマキは極限までムダを削ぎ落とし、その削ぎ落とし自体が何か過剰だが、それでいて妙に洒脱で、彼が尊敬する小津監督の、お茶漬け的ノホホンさの中に孕まれた独自の緊張感とは意外と対照的。
エリセが最高で、10分という時間そのものに静かに寄り添う眼差しの温かみが、一秒一秒に無言で脈打つ生を浮き彫りにする。
ヘルツォークは奥地に行き、とりあえずは面白い記録映画。
ジャームッシュは、女優の微熱的苛立ちがアンニュイで良い。
ヴェンダースは、幻覚症状のリアルさと、いつ病院に着くかという緊張感で、所謂‘面白さ’では一番。
リーは、メディアの加速する時間の中で一分一秒を争う政治劇を見事に活写するが、その分、一度観ただけでは理解しきれないかも。
カイコーは、人と人との微妙なバランスが支える幻想を描くが、最後の余計な善意で台無しに。
ベルトルッチはアジア的寓話を撮りたかっただけの、退屈なオリエンタリズム。
メンツェルは、生保のCFを10分に引き伸ばしたような、善良なる凡作。
サボーは、夫婦間にはありそうな悲劇だが、切ない。
ドゥニは可愛い、じゃなくて、彼女が列車の中でナンシーに問う姿は『中国女』の一場面を連想させ、話の中身は何かで読んだような内容だが、実際に哲学者が動いて肉声で話す様子は見ていて楽しいし、オチがちょっと好き。
フィギスの画面4分割はM.ゴンドリー的アイデアでもあれば面白かったろうけど、その辺が中途半端で、観てるこっちの集中力まで4分の1に。
シュレンドルフは、時間に関する青臭い哲学問答が広末涼子的レベルで語られるだけ。
ラドフォードは地味なSFだが、滋味のある人間ドラマをキッチリ職人技で描ききる誠実さに乾杯。
ゴダールは哀しいかな遂に、偉大な‘総合芸術’的記念碑『映画史』後、老人の繰り言の如き境地へ行った観。
監督も個性的だが、観る人の評価にも個性が出る。皆で「これダメ」「いや、これは…」と一晩、語れそう。
 |
『イデアの森』寸評 |
過去も未来も存在しない。あるのは「過去の現在」「現在」「未来の現在」だけだ。「過去の現在」は記憶であり、「現在」は注意であり、「未来の現在」は記憶である(フォルカー・シュレンドルフ)。
圧巻はゴダールだ。映像美がまず素晴らしい。これほど想像力をかき立てる映像を誰が撮ることができるだろう。彼は闇と沈黙にこだわる。結局、時はそこに沈む他はない。沈黙と闇のみが永遠である。しかし、彼は同時にこうも宣言する。「記憶の終焉」という小作品で、ナチスの強制収容所の死体を扱った映像にかぶせて、「時効はない」、と。かつて若く明るかった空が宵に沈み、星たちの間に失われたものが顔をのぞかせる「今夜」、そこは永遠の世界である。しかし「現在」に生きる我々に、せめて残された倫理といえば、「時効はない」ということなのだろう。
 |
これが巨匠達の作品です! |
存分に観てやってください。ハッキリ言って満足度100%!
マニアックな映画好きなら特にご覧あれ、といった感じです。
僕は大学で映像を専攻しているのですが、この作品達から学ぶモノはたくさんありました。
創り手側からも、観る側からも、ネームバリューありきの作品といったらそうかもしれませんが、僕にはその余裕があるからこそ創れた、好き勝手な作品に思えます。
好きな映像をやりたいように創った作品。その自分勝手さが、彼らの才能や独創性を感じれます。
個人的には、ジャン・リュック・ゴダールとヴィム・ヴェンダースの作品が特にGood!!