有史前から始まり、中世、現代、未来へと男と娼婦(おんな)の関係を描き出している全6話のオムニバス。
そこには実存すべき女のいやらしさもドロドロしたものもなく、健康的で健全な関係しかない。
騙す女と騙される男、だます男と騙される女、その両者共に厭らしさのかけらもなく、邦題どおり「愛すべき女」のオンパレード。
そんな中で未来を描き出しているゴダールの「未来展望」は異色を放っている。離婚後の元妻アンナ・カリーナ最後の出演作品となった本作は、オーウェルの「1984」にも通じる世界を映し出している。
設定は2001年(もう3年前だ)、自由恋愛を禁止された社会。
大掛かりなセットや衣装も使わず普通の空港なのに、飛行機の誘導灯の撮り方など映像だけで見事に未来観を表現しているところは流石です。
全体の音楽はミシェル・ルグランですが、このゴダール作品だけはインダストリアル、現代音楽の匂いプンプンです。